アディポネクチンを増やす食品『大豆』

今までに、アディポネクチンを増やす食品が続々と見つかっていますが、 中でも強力な作用を持つのが「大豆」に含まれる「β-コングリシニン」という成分です。
(*本文は下の方にあります)


■大豆のβ-コングリシニン

大豆の効果は肥満学会でも注目の的

アディポネクチンを増やすとされる日常食品には、緑黄色野菜や海藻に含まれる食物繊維、青背の魚に多いEPA、 玄米やアオノリ、ヒジキ、ソバ、カキに多いミネラル、緑茶、杜仲茶などさまざまな食品がありますが、 こうした日常食品の中で、私たちにとって身近でアディポネクチンを増やす効果が最も大きいと考えられるのが、 『大豆』です。大豆の主成分というべき大豆たんぱくには、「β-コングリシニン」という有効成分が 含まれています。このβ-コングリシニンにアディポネクチンを増やす効果のあることが、最近の肥満学会で発表され、 大きな注目を集めているのです。その報告によれば、メタボリックシンドロームの人にβ-コングリシニンを 2〜3ヶ月食べてもらったところ、アディポネクチンの明らかな増加が認められたといいます。 実際、アディポネクチンの発見者である大阪大学名誉教授の松澤佑次博士も、マウスを用いた実験で、 大豆たんぱくに血液中のアディポネクチンの量を増やす作用があることを確認し、大きな話題を呼びました。


●β-コングリシニンの効果

内臓脂肪も中性脂肪も大幅に減った

現段階では、大豆たんぱく中のβ-コングリシニンがどういう仕組みでアディポネクチンを増やすのかについて、 まだ完全に解明されてはいません。しかし、β-コングリシニンに過剰な内臓脂肪を減らし高い中性脂肪値を 下げる効果があることは、京都大学名誉教授の鬼頭誠博士らの試験で確かめられています。 この試験は、BMI(肥満指数。男女とも25以上で肥満と判定される)が25〜30で、ウェストが男性で85cm以上、 女性で90cm以上のメタボリックシンドロームの男女95人を対象に行われました。 被験者を二群に分け、それぞれに1日5gのβ-コングリシニン入りの干し菓子と、5gのカゼイン(牛乳のたんぱく成分) 入りの干し菓子を食べてもらい、内臓脂肪の量や中性脂肪値の変化を調べたのです。 その結果、カゼイン入りの干し菓子を食べていた群では、20週間後に内臓脂肪の面積が増大していたのに対し、 β-コングリシニン入りの干し菓子を食べていた群では5.1%も内臓脂肪の面積が減少していました。 また、中性脂肪値が基準値(150mg未満)を超えていた人の場合、β-コングリシニンを食べた群では、 4週間後に11.7%、12週間後に13.5%も低下していました。

以上のように、大豆たんぱくに、過剰な内臓脂肪を減らしてアディポネクチンを増やす顕著な働きがあることは 確かです。大豆食品を毎日の食生活に取り入れ、血液や血管の若返りはもとより、健康長寿の実現に 役立てて欲しいと思います。


●豆腐がおススメ

豆腐には大豆たんぱくもマグネシウムも豊富

私たち日本人の食卓には、豆腐や納豆、豆乳、油揚げ、厚揚げ、味噌汁など多種多様な大豆食品が並びます。 これらの中で、アディポネクチンを増やすために特におススメなのが「豆腐」です。 同じ大豆食品の中でも納豆や味噌は納豆菌や麹菌によって大豆たんぱくが分解されてしまうため、 アディポネクチンを増やすβ-コングリシニンがあまり含まれていないのです。 油揚げや厚揚げ、豆乳には大豆たんぱくこそ豊富に含まれていますが、食用油や飲みすぎによるカロリーオーバーが 懸念されるため、常食には適しません。 その点豆腐であれば、大豆たんぱくが豊富に含まれていながら低カロリーなので、毎日一定量を食べても カロリーオーバーになる心配はないでしょう。しかも豆腐が優れているのは、製造過程で「にがり」を用いること。 にがりには「マグネシウム」の宝庫といえるのですが、このマグネシウムもまたアディポネクチンを増やすために 大変有効な成分なのです。したがって、豆腐はアディポネクチンを増やす二大有効成分を一挙に補える利点があるのです。

◆豆腐は木綿の方が大豆たんぱくが多い

一言で豆腐といっても、その作り方の違いから「木綿豆腐」と「絹ごし豆腐」の2種類があるのはみなさんも ご存知でしょう。木綿豆腐は、木綿の布を敷いた穴付きの型枠に、豆乳とにがりの混合物を入れた後重石をして、 水分を適度に抜きながら作られます。一方の絹ごし豆腐は、穴のない型枠にそのまま投入とにがりの混合物を入れ、 固まるのを待つだけです。つまり、木綿豆腐の方が水分が少ない分、大豆たんぱくを効率よく補えるのです。 実際に『五訂食品成分表』で豆腐の成分を調べると、マグネシウムの量はあまり変わりませんが、 100g当たりの大豆たんぱくの量は、木綿が6.6g、絹ごしが4.9gとかなり違います。

では、木綿豆腐を食べるとしたら1日にどのくらいの量を食べればいいのでしょうか。 先述した試験では、β-コングリシニンが1日に5g摂取されました。この量を木綿豆腐で補おうと思ったら およそ2,5丁になります。とはいえ、豆腐にはマグネシウムも豊富なので、それほど多く食べなくても アディポネクチンを増やす効果は十分に得られると考えられます。 一応の目安としては、バランスのよい食生活を送るのと同時に、木綿豆腐を1日半丁(約110kcal)くらい 継続して食べるのがいいでしょう。

◆木綿豆腐よりも大豆たんぱくが豊富な高野豆腐】

豆腐の中でも、大豆たんぱくを最も効率的に補えるのが「高野豆腐」です。 高野豆腐100g当たりの大豆たんぱくの量は、木綿豆腐の7倍以上も多く含まれています。 また、アディポネクチンを増やす効果が認められたマグネシウムも、木綿豆腐の4倍も含まれています。 つまり、高野豆腐を摂れば、アディポネクチンを増やす二大成分を一挙に補えるという利点があるのです。

では、高野豆腐は、1日にどのくらい食べればいいのでしょうか。 アディポネクチンを増やすためにβ-コングリシンを摂るなら、1日5gが目安になりますが、 この量を木綿豆腐で補うには上記のように約2.5丁になります。 これを高野豆腐に当てはめてみると、約5.5枚(1枚は約20g弱)になります。 これに加え、マグネシウムが豊富なことを考えれば、1日1〜2枚を継続して食べるようにするといいでしょう。